忍者ブログ

おもいつくままに

色々と止まらなくなり、ひとまず置き場所をつくりました。

帰り道

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

帰り道

74と同じタイトルですが、こっちは本力で……とか思っていたのに、変態の魔狼と泥酔オジサンの話になりました。なんで(涙)??
いつもより短い話なので(恥ずかしすぎてあえて)別枠にいれます。







夜空の星を見上げると、本郷さんを思い出す。


「力石よ。星はどうして輝いてるか、知ってるか?」

酒を飲むと、本郷さんは饒舌になる。
楽しくて、俺もついつられてしまう。
普段の生活では、考えもしない事を考えさせてくれるのだ。
本郷さんはすごい。

「……太陽の反射と……」
「おいおい、夢がないなあ」
「……夢って」
「あれ、蜂蜜で出来た飴玉なんだぜ」

トレンチコートを粋に着こなし、髪もきちんと整えて、かぶる帽子の角度も考える。
そんな格好いい本郷さんには、甘さと優しさが込められているのだ。
これに落ちない相手はいない気がする。

「蜂蜜って……宇宙で溶けないのか?」
「おお、力石。よくぞ聞いてくれた。宇宙はな、寒いんだよ……」

うっかり、納得してしまう。
本郷さんの言葉の響きには、深い説得力がある。
ただ、酔いが覚めると笑ってしまう事も多いのだけれど。
そこがたまらなくて、とてもいい。


「あれを蜂蜜と言うか……」

詮索はしない。
本郷さんだって、俺に対しては同じだ。
俺と出会う前の長い間に、きっとそんな話をした相手はいただろう。
さすがに今まで一人でいたとは信じられない。
強いて言えば、今は俺にだけ、だと嬉しい。

「せめて、あの星のどれかひとつ……」

そっと手を伸ばした。
星なんて掴める訳がない。
けれど、本郷さんの見ている物を見たいし、知っている事を知りたい。
この先も、ずっと一緒に食事が出来たらいい。

本当に、俺は本郷さんを気に入っている。


「ッキイッシ〜、アンポンタ〜〜ン……」

不思議な音程の歌らしき音が、俺の耳に届いた。
視線で追って、少し先をフラフラしながら歩く姿を見つけてしまった。

相変わらずの本郷さんだ。

「本……」
「リッキイッシ〜〜」

ご機嫌に酔った本郷さんは、ややガニ股で楽しそうに身体を揺らして歩く。
思わず見入ってしまった。
声をかけてもいいけれど、このまま見守るのも悪くない。

まるでストーカーだ。

「この時間にあの様子じゃ、無事に帰り着くか不安だな……」

本郷さんは、どれだけ酔っても家に帰ると言っていた。
あの言葉を確かめる、いい機会だ。

「よし。何事もなかったら、蜂蜜の飴でも差し入れしよう」

フードを深くかぶり直して、両手をポケットにつっこむ。
なるべく夜に溶け込むようにして、本郷さんの後を追う事にした。



拍手

PR

コメント

カレンダー

03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

プロフィール

HN:
タケル
自己紹介:
本力にどハマりしました。
そしてドラマ版を見たら、本郷可愛さにグッと胸掴まれて……(萌えは勝手です)結局、二人が好きなのだと、自分で納得。

小話は「■ 本力」「□ 力本」分けてみました。
ほぼ変わりはないけど、ひとまずの目安にしていただけたらです。
(小話が増えてきたので、自分の確認の意味も込めて、番号も振ってみました)

とにかくもう、二人が可愛くて(格好よくても含まれる)たまらんので、日常っぽい短い話や、覚え書き等、こそっと置いていきます。

※ 原作の感想は、金曜の朝頃、バレはないように萌え語ります……(この発散もしたくて作ったブログなので)


つぶやき @takerun_001
pixivID 18019731
サークル 本郷格好委員会

1