昨日も寝倒れてしまいました。
疲れた時には二人が楽しそうにしてるのを妄想するのが一番!
今日も甘さ増し増しで!
「本郷さん、いる?」
約束もないままに、本郷さんの家にやって来た。
今日は休みで、どこにも行かないと言っていたのを忘れていなかったからだ。
この部屋の鍵は、何よりも大事に持っている。
勝手に来て、勝手に寝ていてもいい俺。
夜になったらどこかの店で会っただろう。
けれど、休みの日の午前中をのんびりとしている本郷さんに会ってみたかったのだ。
「……本郷、さん……」
ドアは勝手に開いた。
そっと入ってもう一度声をかける。
「……おお、力石! よく来たな」
驚いた。
パジャマを着たままの本郷さんは、汗だくになっている。
時間は九時を回ったところだ。
こんな時間から訪ねる俺もどうかと思うけれど、寝ていたら起きるまで傍にいる予定だった。
「来てよかった?」
「何だよ、改まって。入れ入れ」
靴を脱いでそっと上がる。
「朝から何やってるんだ?」
「おまえこそ、どこかに行くついでか?」
「本郷さんに会いに来たんだよ、はい。朝の弁当」
「おっ、あそこに寄って来たのか。美味いんだよなあ」
汗だくの笑顔。
思わず手を伸ばして、額の汗を拭ってやった。
「何やった汗? エッチな事か?」
「バカ! 洗濯と、今から掃除」
「え」
よく見たら、窓際に洗濯物が干されている。
布団も、日の当たる場所に移動だ。
「最近ちょっとサボってしまってな」
「本郷さん、几帳面だな……」
「だって、ちゃんとやっとかないと、すぐにゴミだらけになっちゃうんだぞ」
確かにその通りだ。
不意に本郷さんを抱きしめたくなってしまった。
「こらこら、冗談はおいとけ」
「……冗談じゃないけど」
「おまえ、何しに来たんだ?」
「……掃除、手伝うよ」
「ほんと?」
嬉しそうな本郷さんの顔はたまらない。
ひとまず、買って来た弁当を朝食代わりに、先に食べる事にした。
布団の位置がいつもと違うだけで、何やら不思議な気分になってくる。
「力石もよく泊まりに来るしな、やっぱ、片付けは大事だよ」
箸の動きで本郷さんの機嫌がわかる。
嬉しそうに食べてくれると、俺も嬉しい。
「俺も片付けてるつもりだけどな……」
「そう。力石は意外と綺麗好きだから、俺もつられる」
休みの日だからと、朝から缶ビールを開けている。
俺はそこから一口だけもらって、満足した。
今から掃除をするというのに、飲んでしまっては落ち着かない。
「本郷さん?」
「……なんか、休みの日に力石がいるっての、悪くないな……」
「俺もな。洗濯終わった本郷さんと、一緒に朝ごはん食べてるの、悪くない」
「いい朝だよ……」
俺の勘は当たった。
きれいに弁当を食べ終えた本郷さんは、顔を赤くしている。
止めなかった俺も悪いけれど、いつの間にか増えた缶ビール、三本は多すぎだ。
「あのな、掃除、ちょっと休んでからにする」
「いいけど……寝るなら布団、ちゃんと敷いたら?」
「陽に当てるつもりだったんだけど……」
「クリーニングでもよくない? 俺、持って行くよ」
「……すごい助かる……やっぱ、寝るわ……」
あっという間に、本郷さんは目を閉じて、気持ち良さそうな寝息を立てていた。
休みの予定は、半分しか終わってない気がする。
もしかして、俺が来たせいだろうか。
布団をいつもの場所に敷いて、本郷さんを転がす。
不思議な事に、少し乱暴に扱っても、本郷さんは全く目を覚まさない。
俺は、ここにいてもいいのだ。
同じようにビールを飲んで追いかけてもいいけれど、二度寝する本郷さんの傍で、起きるのを待つのも悪くない。
当初の予定に戻っただけだ。
部屋をぐるりと見回して、そこまで片付ける必要もないと思った。
きちんとした本郷さんの性格が現れていて、こんなところからも好きになってしまう。
「……積んであるエロサイターか、これは捨てたら泣きそうだな……」
穏やかな休みの日。
眠る本郷さんが起きるまで、俺もゆっくりしようと思った。