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おもいつくままに

色々と止まらなくなり、ひとまず置き場所をつくりました。

139 □ いつもの夜

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139 □ いつもの夜

変わらず飲み食いしてますが、二人きりなのでそのままでいっときます。
(今夜は眠さ最高潮なので、いつも以上に短くてすいません)





「お、力石見ろよ。ほっそい月! しかも寝てるぞ」

店から出て、ふと足を止めた本郷さんが空を指差す。
一瞬、見落としそうな細い月がのぼっていた。
本郷さんが寝てると表現したのは、受け皿のように横たわる月だからだ。

「あれは月が見える方角……」
「いいや。眠くて寝てるの。あ、もしかしたら酔っ払ってるのかもな。ウッシッシ」

今夜の本郷さんは、かなり酒を飲んでいる。
久し振りに約束せず、偶然店で出会ったからだろうか。

「今日こそ……!」

と叫んで、自分の世界にこもってしまった。

なんだろう。
俺より酔わずに帰る宣言?
それにしては、あっさり酔っ払った。

本郷さんは、時々かなり遠くに行ってしまう。
けれど、いつだって俺を見ているのだ。
なんとなくそれはわかる。
わかるのが嬉しい。
だから俺は、いつまでもそばにいる。

「美味かった泡盛でも飲んだんだろうか」
「おお、力石もわかってきたな。あれは効く。恐ろしい酒だ」

基本、ビールと日本酒しかやらない本郷さんだけど、たまに泡盛は舐める。
その仕草はすごく格好よくて、ずっと見ていられる。
たまにの姿だから、俺へのご褒美かもしれない。

「もっと、あちこち行きたいよな、本郷さん」
「ん? そのうち月まで行こうぜ」
「月って、何が美味いんだろな」

何気なく呟いたら、本郷さんは本気で唸りながら考え出した。

「月……ウサギの……餅! あいつらポンポンついてたぞ」
「見たのか?」
「見えるだろ……あ、あれは満月限定か……」

今夜の月は三日月。しかも眠っている。
多分ウサギも眠っているだろう。

「月の名物か……やはり力石は目の付け所が違うぞ……こいつはなかなか手強い……」
「本郷さん?」

唸る本郷さんも格好いい。
口元が知的になる。

「いずれ確かめよう」
「お、月旅行、弁当持って行こうな」

本郷さんが手を伸ばしてきた。
軽く握手すると見せかけて、強く握りしめられる。
珍しく積極的だ。

そのまま、少しだけ時間を止めてしまった。

「おい……いつまで……」
「月まで、って言いたいけど、駅まで」
「駅!」

ちらりと空を見上げて、ついでのように俺を見た。

「……まあ、俺、酔ってるからな……ちょっとだけなら……」

指が絡んだ。
熱くて、飛び上がりそうになる。

今の俺なら、月まで行けたかもしれない。

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プロフィール

HN:
タケル
自己紹介:
本力にどハマりしました。
そしてドラマ版を見たら、本郷可愛さにグッと胸掴まれて……(萌えは勝手です)結局、二人が好きなのだと、自分で納得。

小話は「■ 本力」「□ 力本」分けてみました。
ほぼ変わりはないけど、ひとまずの目安にしていただけたらです。
(小話が増えてきたので、自分の確認の意味も込めて、番号も振ってみました)

とにかくもう、二人が可愛くて(格好よくても含まれる)たまらんので、日常っぽい短い話や、覚え書き等、こそっと置いていきます。

※ 原作の感想は、金曜の朝頃、バレはないように萌え語ります……(この発散もしたくて作ったブログなので)


つぶやき @takerun_001
pixivID 18019731
サークル 本郷格好委員会

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