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おもいつくままに

色々と止まらなくなり、ひとまず置き場所をつくりました。

137 □ 待ち合わせ

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137 □ 待ち合わせ

原作でも普通に待ち合わせしているオジサンと青年。
なかよしすぎる!
時間はもう適当なところで……




「力石! 今日の待ち合わせは絶対に、絶対に遅れるな! お主、一度も俺より先に来てた事がないぞ!」

出かけに本郷さんが何度も念を押してくれた。
今日は、昼ご飯を一緒に食べる。
昨夜、入念な打ち合わせをやった。
とんかつにするか、カレーにするか。
今回は本郷さんオススメの店だ。

「わかってるよ……十二時な」
「十一時五十分! 俺はそれよりも三十秒は前に着く」
「ああ……」
「二度寝するなよ」

本郷さんの布団は寝心地がいい。
眠くなくても眠らされる。
匂い、だろうか。
加齢臭だと震える本郷さんの匂いを、俺はとても好きでいる。

「いいな、力石。俺、今日はちょっと連絡がつかんのだ」
「大丈夫。ちゃんと行くよ」
「うむ……」

気ぜわしそうに、本郷さんは出かけて行った。

俺は今日、たまたま休みを取っている。
本郷さんちでのんびりおでんでも煮込もうと思っていたのだけど、外で待ち合わせるデートは久しぶりだ。
嬉しくて、昨夜はうっかり寝過ごしてしまった。
しばらく起きていた俺を、本郷さんは気づいてないはずだけど。

「……本郷さんの声は本当にいいなあ」

朝から大騒ぎされても、不快に思った事がない。
ずっと、ずっと聞いていたい。
時々、頭を叩かれたりするタイミングが絶妙で、そのまま叩いていて欲しい、なんて思う。

別に俺は変態でもなんでもなく、ただ本郷さんが好きなだけなのだ。
好きな人には、ずっとそばにいてもらいたい。
声も聞いていたいし、触れられてもいたい。
本郷さんだけにそう思うのだけど、うまく通じているのかは不明だ。

「……起きるか……」

時計は八時。
休みの日に起きる時間じゃない。
けれど、もうひと眠りしたら、時間通りに起きられる自信はない。

「言われてみたら、いつも俺が遅れて行くっけ……」

中央線で事故があって。
何度そう言ったっけ。
あれは嘘でもなんでもなく、本当に遭遇したのだ。
本郷さんと待ち合わせている時に限って。

「今日は中央線を使わんから、大丈夫なはず」

本郷さんがずっと使っていた時計を掴む。
見やすい文字盤と、うるさすぎない目覚ましの音。
どのくらい、本郷さんを起こして来たのかと思うと、ほんの少し嫉妬してしまう。

まあ、俺に目覚ましの代わりは出来ないけれど。

「これからは、俺も一緒に起こしてください」

そっと時計を枕元に戻して、布団に潜り込む。


……
……


「ヤバイ……!」

一瞬の眠りだと思っていたら、三時間たっていた。
これには自分で驚いた。

「また本郷さんに怒られるな……」

勢いをつけて、布団をあげた。
毎朝、半分眠っている俺を押し出して、本郷さんは布団をあげる。
あの几帳面さは見習いたい。

「シャワー浴びて、コーヒー飲んで……時間、大丈夫かな」

本郷さんと違って、俺は一人だと風呂の時間が短い。
歌うわけじゃなく、眠るわけでもなく。
風呂場で軽く響く本郷さんの声は、こもる色気が半端じゃない。

「今夜、本郷さんと一緒に風呂にはいるのもいいなあ……」

あっさりと頭を洗って、支度を整える。

「……あれ? これ、どこのタオルだ……?」

よく見たら、温泉の名前が書いてあった。
温泉に行くと、土産にタオルを買うのが楽しい、って言ってたっけ。
持って帰るんじゃなくて、きちんと買うのが本郷さんらしい。

「温泉もいいなあ……検討するか」


俺は、時間にルーズなんじゃない。
気がついたら、時間がすぎているだけだ。


「おおお遅い! お主、事故にでも遭ったのかと心配したぞ!」
「ごめん、出掛けに階段で転びそうになってさ」
「なぬ? 怪我はないのか?」
「大丈夫」

嘘ではない。
酔っていても落ちるような階段ではないけれど、さすがの俺も慌てていたようだ。
ほどけた靴紐に、階段を降りる前に気がついた。

奇跡的にも、少し遅れた程度の遅刻でたどりつけた。
三時間も二度寝していた事は、いつか謝ろうと思う。

「開店してる?」
「さっきな。一番乗りじゃなかったのはアレだが、まあまだ余裕の範囲だ」
「すまん」

トレンチコートに身を包んだ、どこから見ても格好いい人が、俺を待っていた。

「すごい贅沢……」
「何が? カレーがか?」
「まあね」
「今日の店のは最高にうまいぞ」

外で聞く本郷さんの声もいい。
並んで、店に入った。
楽しみなカレーが、とことんまで楽しみになった。

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プロフィール

HN:
タケル
自己紹介:
本力にどハマりしました。
そしてドラマ版を見たら、本郷可愛さにグッと胸掴まれて……(萌えは勝手です)結局、二人が好きなのだと、自分で納得。

小話は「■ 本力」「□ 力本」分けてみました。
ほぼ変わりはないけど、ひとまずの目安にしていただけたらです。
(小話が増えてきたので、自分の確認の意味も込めて、番号も振ってみました)

とにかくもう、二人が可愛くて(格好よくても含まれる)たまらんので、日常っぽい短い話や、覚え書き等、こそっと置いていきます。

※ 原作の感想は、金曜の朝頃、バレはないように萌え語ります……(この発散もしたくて作ったブログなので)


つぶやき @takerun_001
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サークル 本郷格好委員会

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