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おもいつくままに

色々と止まらなくなり、ひとまず置き場所をつくりました。

135 □ 散歩の途中

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135 □ 散歩の途中

ふと気がついたんですが、本郷さんちでだらだらしてる妄想ばっかり……
寒いからいいか〜と強引に思い込んですいません。
のんびりだらだらは、自分の好きなテーマ(と言っていいのか?)です。

(後半、帽子の存在忘れてたので修正しました)





本郷さんちのこたつが好きすぎて、一日中寝ていられる。
そんな俺を心配したのか、近所を散歩に行こうと言い出したのは本郷さんだ。

コンビニで酒を買うという目的を作ったのに、途中の神社に吸い込まれた。

「もう初詣じゃないけど、ちょっと拝んで行こうぜ」
「本郷さん、信心深いんだな」
「小さなところからコツコツだぜ」

何がどうコツコツなのかわからないけれど、神仏に対して無造作でないのは本郷さんのいいところだ。

なんてしみじみ思ったのは一瞬だった。


「宝くじが当たりますように!」
「え」

賽銭を投げて、いきなり本郷さんが叫んだ。
思わず見つめてしまう。

「……あれ? 俺、声に出しちゃってた?」
「普通に聞こえてきたぜ」
「えっと……まあ、穏やかに……」

バツの悪そうな顔をして、本郷さんは帽子で顔を隠した。
コツコツと、こうやって願い事をしているのかと思うと、おかしくて可愛くてたまらない。

「なあ、欲望に忠実な顔、見せてくれよ」
「バカっ! なんか、お主の言い方、ハレンチなんだよ!」

真っ赤な顔が帽子の隙間から見える。
本郷さんの耳の形もとても好きだ。
震えている指の先もいい。

「そう思う方がハレンチだと思うけど」
「なんだと!」

きゅっと帽子をかぶり直した本郷さんが、俺に拳を向けてきた。

「こいつめっ、くらえ! 必殺ロケットパンチだ!」

とりゃ、って叫びと共に、俺の腹に本郷さんの拳が触れた。
痛くも痒くもない。
おまけに、ロケットパンチなんて、何十年ぶりかに聞いた。
必殺も、考えてみたらすごい単語だ。

「ハハハ!」

思わず、大声で笑ってしまった。
年があけてから、本郷さんと一緒にいて、どれだけ笑っている俺だろう。
きっと、今までの俺を知る色んな人が驚くかもしれない。

本郷さんといると、普段使わない筋肉を使い倒している。
健康にもなるわけだ。

「……力石、笑いすぎ……」
「宝くじは当たるかどうかわからないけど、ロケットパンチは俺に当たったぜ?」
「なぬ?」

大きく目を見開いた本郷さんが、絶望的な顔をした。
こんなわかりやすい表情もない。

「しまった……俺の願いは宝くじ当選だったのに……まさか、神様はロケットパンチを優先したのか」
「わからんぜ。今のはものすごく念がこもってたしな」
「こもってない! 優しく……穏やかにやったぞ!」

言い訳がましい。
声が震えていくのが、本郷さんらしくてたまらない。

「ものすごく痛かったのにか?」
「へ? 痛かった? 今のが?」
「……骨が折れたかもしれん」

わざとらしく腹を撫でる。

「今のは嘘だ」
「どうして?」
「お主の眉はピクリとも動いとらん」

眉で見破られるとは。
見てないようで本郷さんは俺を見ているのだ。

「ああ、嘘だよ。ちっとも痛くなかった」
「……よかった……じゃあ、俺のパンチはなかった事に出来るな」

社の方に向かって、深々と頭を下げる。
落ちた帽子は俺が慌てて拾った。

「宝くじ、お願いします。今度こそ一等で」

こんな願い事をしてもいいんだろうか。
なんて思ったけれど、本郷さんは真剣だから、少しでも伝わるといい。

「……本郷さんに当たりますように」

形が崩れないように、そっと帽子を撫でながら、本郷さんの願いの後押しをした。
我ながらいい願い事だ。

「力石、宝くじ、いらんのか?」

顔をあげた本郷さんが、俺にしがみつくように寄ってきた。

「俺買ってないし、願うならもっと違うのにするさ」
「へっ? 宝くじ一等よりすごいのがあるのか?」
「まあな」

おかしくらい眉をひきつらせて、本郷さんは宝石だの金塊だの、ブツブツ呟いている。
俺の願いなんて単純だ。

本郷さんの側で笑っていたい。
こんな最高の願いは他にないだろう。

「叶うといいなあ」
「おまえっ、どんな欲深……」

いきなり本郷さんに腕をとられた。
俺が落としてしまわないように、そっと帽子を持ち主に返す。
やはり、帽子は本郷さんが一番よく似合う。

「……本郷さん?」
「バチあたる前に帰るぞ。ああ、帰りに酒買って、ここに置いて帰ろう」
「不法投棄?」
「バカ! お礼とお詫びだ」


思いがけず、本郷さんとくっついて歩いている。

コンビニまで、もう少し先だ。
本郷さんは、どのあたりで俺の腕を取っている自分に気がつくんだろう。
そして、その時、どんな顔をするだろう。

想像するのが楽しくて、俺はしばらく笑っていた。

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プロフィール

HN:
タケル
自己紹介:
本力にどハマりしました。
そしてドラマ版を見たら、本郷可愛さにグッと胸掴まれて……(萌えは勝手です)結局、二人が好きなのだと、自分で納得。

小話は「■ 本力」「□ 力本」分けてみました。
ほぼ変わりはないけど、ひとまずの目安にしていただけたらです。
(小話が増えてきたので、自分の確認の意味も込めて、番号も振ってみました)

とにかくもう、二人が可愛くて(格好よくても含まれる)たまらんので、日常っぽい短い話や、覚え書き等、こそっと置いていきます。

※ 原作の感想は、金曜の朝頃、バレはないように萌え語ります……(この発散もしたくて作ったブログなので)


つぶやき @takerun_001
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サークル 本郷格好委員会

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