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おもいつくままに

色々と止まらなくなり、ひとまず置き場所をつくりました。

120 □ 電話

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120 □ 電話

花見に行けないままに桜が散ってしまう…
そして、突然の寒さと強風。

なんてあたりで妄想始めたはずなのに、全然! ひとつも! 被らない話になってしまいました(本文書いてから書くべき前書きでした……)







気持ちよく飲んで、ふらつきそうになる足に力を込めながら帰る途中、力石から連絡が来た。
少し道の端に寄って足を止める。

「ラインってのは、メールと何が違うんだ?」

力石の手前、わかってないとは言いたくなくて、ごく普通に使っているように見せているけれど、実際はほとんどわかっていない俺がいる。
とりあえず、用件が通じたらいい。

スマホを開いて確認した。

(今家に着いたけど、本郷さん遅い?)

「ぬぬ……今まさに帰ってる途中だぞ」

うっかり、画面に向かって喋っていた。
声が届くわけないのは、さすがに俺でもわかる。

「文字打つの、面倒なんだよなあ……フリ……フリチンだっけ? あの入力、一生理解出来、ぬ!」

文句を言っても始まらない。
帰る途中だと打とうとした時、電話がかかって来た。

「ぬおっ!」

俺は、必ず一度はやってしまう。
通話するつもりで、終了を押してしまうのだ。
思い切り、電話を叩き切った形になった。

「今の、今のは力石だったよな?」

慌てて履歴を確認していたら、もう一度かかって来た。
いつだって、二度目はきちんと出る事が出来る。

「もしもし俺! 力石か?」
(詐欺っぽいから、笑わせないでくれる?)

電話の向こうの声が、少し柔らかい。

「すまん。俺だ」
(俺って誰だよ)
「お主な! 俺にかけて来てるんだろ!」

力石が笑う。
顔は見えないけれど、力石は意外とよく笑う男だ。

(晩ご飯、食べてると思うけど、まだ入る?)
「なんだ、そりゃ」
(夜食に美味そうなレシピ聞いてさ。軽く作るから、つきあってくれよ)
「毒味か?」
(俺が毒味するよ)


俺も料理はする。
でも、ずっと一人だったから、作るよりも食べに行った方が、手早くて安かったのだ。
作らないと腕は退化する。
今の俺は、お茶漬けくらいしか作れない。

しかし、力石は違う。
モテ男な人生を歩んで来ただけあって、女子供の好きそうな軽食も作るし、若い魔狼の胃袋を満足させるような肉系こってりの料理も作る。

「流石に蕎麦は打てない」

なんて言ってたけれど、あれは絶対に謙遜だと思っている。


(本郷さんと食べたくて、酒も買って来たよ)
「なぬ?」

そんな風に言われたら、今すぐ食べたくて踊ってしまうじゃないか。
力石は、俺の胃袋も掴んでやがる。

「わかった。もうすぐコンビニの通りに出るところだから、ちょっとしたら帰る」
(待ってるか……)

しまった。
力石の言葉を聞き終える前に通話を切ってしまった。
無情な画面に愕然とする。

スマホの通話は、力石で練習しているような物だ。
力石相手なら、どんな失敗をしても問題ない。

いつの間にか、俺は力石に気を許している。

「ぬおっ!」

不意打ちで音が響き、スマホを落としそうになった。
力石からラインが届いていた。

(酒に合う肴と一緒に、本郷さんの帰りを待ってるよ)

なんて事ないひと言が、地味に胸に響いて来た。

俺の部屋は今、一人ではないのだ。

「力石……いや、酒と肴が嬉しいんだよな。力石はおまけだ」

言葉にするのは虚しい。
足が軽くなるほど、俺は楽しみにしている。

「……土産、買って帰るか」

コンビニが見えた。
酒に合う肴があるのなら、その後で少し食べる甘味があってもいいだろう。
力石は、クールな魔狼にみせかけて、甘い物も嫌いではない。

「駄菓子みたいな定番のチョコレートで、奴をギャフンと言わせてもいいな……いや待てよ。新発売の豪華そうなスイーツってのはどうだ? まさか俺が買うとは思うまい……」

頭に浮かぶのは、肴でも酒でもなく、嬉しそうな顔で俺を出迎える力石だった。



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プロフィール

HN:
タケル
自己紹介:
本力にどハマりしました。
そしてドラマ版を見たら、本郷可愛さにグッと胸掴まれて……(萌えは勝手です)結局、二人が好きなのだと、自分で納得。

小話は「■ 本力」「□ 力本」分けてみました。
ほぼ変わりはないけど、ひとまずの目安にしていただけたらです。
(小話が増えてきたので、自分の確認の意味も込めて、番号も振ってみました)

とにかくもう、二人が可愛くて(格好よくても含まれる)たまらんので、日常っぽい短い話や、覚え書き等、こそっと置いていきます。

※ 原作の感想は、金曜の朝頃、バレはないように萌え語ります……(この発散もしたくて作ったブログなので)


つぶやき @takerun_001
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サークル 本郷格好委員会

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