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おもいつくままに

色々と止まらなくなり、ひとまず置き場所をつくりました。

113 □ 雪

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113 □ 雪

しばらく振りです…
またこそこそと更新していこうと思います。
久しぶりなので加減がわからず、ややイチャついてる感じかも。








「……あれ?」
「雪?」
「この時期にか?」

飲み屋に入る前にも思ったけれど、今夜は格別に寒い。
桜の季節が近づいているのに、冬が戻って来たみたいだ。
今日の天気予報は、雨から雪。
昨日までの春っぽい天気はどこにいってしまったんだろう。

「ぬ? 別に降ってはないよな? 今の気のせいか?」
「俺も冷たいのが顔に触ったけどな」

二人して空を見上げる。

「……力石、モテ男のお主が何かやったか?」
「モテ……関係ある?」
「春を司る神様ってのは、美女で巨の乳だろ。絶対に力石のファンだ。お前が雪降らせろって言ったら、大喜びで降らせてくれるんじゃないか?」

ニヤリと本郷さんが笑う。
この人は、俺の事ばかり言うけれど、自分がどれだけ格好いいのか分かっていない節がある。

まっすぐに背を伸ばして歩く姿。
美味しい物を美味しそうな顔をして食べる素直な表情。
時に酔っ払ってふらふらしながらも、きちんと家に帰る律儀さ。
そして、どこにいてもすぐにわかる、優しくて甘い声。

本郷さんを知れば知るほど、好きでたまらなくなる。

「本郷さんみたいな人かも知れんぜ?」
「なぬ?」

大口を開けた本郷さんが俺を見た。
思わず笑い返してしまう。

「……俺、オジサンだろ。からかうなよ」
「からかってないよ。それに神様ってのは男が多いだろ? 俺は本郷さんの方がいいな」

近づいて、手をつないだ。

「おい……」
「寒くない?」
「……ちょっとだけ」

そっぽを向きながらも、俺とつないだ手には力を込めてくれた。
こういうところも大好きだ。

「本郷さん、このまま飲み直そうぜ」
「いいねえ。そういや、俺、大吟醸買っててさ、お主が来たら飲も……」
「本郷さんち? 大歓迎だ」

ちらりと俺を見て、また目をそらした。
でも手は放してくれないから、嫌われている訳ではない。

「嬉しいよ、本郷さん」

そっと耳元に囁いた。
ぎゅっと、今までにないくらい強い力で手が握り返される。

「泊まりアリでよろしくお願いします」
「何……いきなり、そんな、丁寧な言い方……」

慌てる顔もいい。
抱きしめようとしたら、顔に冷たい粒が触れた。
本郷さんも小さな声で冷たい、と呟く。

「水入り、ならぬ、雪入りだな」

天気に邪魔されるとは思わなかった。

「モテ男なのはどっちだよ……」

改めて。
手をつなぎ直して、本郷さんちに帰る事にした。


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プロフィール

HN:
タケル
自己紹介:
本力にどハマりしました。
そしてドラマ版を見たら、本郷可愛さにグッと胸掴まれて……(萌えは勝手です)結局、二人が好きなのだと、自分で納得。

小話は「■ 本力」「□ 力本」分けてみました。
ほぼ変わりはないけど、ひとまずの目安にしていただけたらです。
(小話が増えてきたので、自分の確認の意味も込めて、番号も振ってみました)

とにかくもう、二人が可愛くて(格好よくても含まれる)たまらんので、日常っぽい短い話や、覚え書き等、こそっと置いていきます。

※ 原作の感想は、金曜の朝頃、バレはないように萌え語ります……(この発散もしたくて作ったブログなので)


つぶやき @takerun_001
pixivID 18019731
サークル 本郷格好委員会

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