ひとまず、初めて原作を読んで激しく萌え高ぶる動揺をしたのが3月4日です。
わ〜〜!! 食軍ハマって一周年で〜す!
すごくすごく楽しい一年でした。原作最高、大好き!!
まだまだ追っかけるよ〜〜〜!!
で、小話的な物は、pixivにこそっと投下してみました。
初力本で、とにかくイチャイチャがテーマだったので、なんじゃこりゃ?な話ですが、やっぱり二人が好きすぎてたまらんよ〜〜〜な気持ちになったので(自分的には)よし。
これからも精進します。
さて。
ふと思いついて止まらなくなった力本置いときます。
いつもはここから小話にするんですが、多分書かないと思うので(だって恥ずかしいから)ツイッターで呟くネタの一環として流し見していただけたら……です。
久々に、ドラマ設定まざってます。
………………
少し早い花見酒のつもりで、本郷さんちに寄った力石は、部屋が暗かったので何気なく電気をつけてびっくり。
こたつに座ってがっくりと肩を落として動かない本郷さんの姿がそこにあった。
「ど、どうした、電気もつけないで」
「……お……きたか、力石」
「何があったんだ?」
こたつの上には、ホールケーキの箱。
「……ケーキ? 珍しいね」
「……こいつか……こいつがな……」
あああ! と、頭をかきむしる本郷さん。
「何? マジで、どうした」
そばにしゃがみ込んで、そっと肩を撫でてあげる。
しばらくして、ようやく落ち着く本郷さん。
「……買ってくるつもりはなかったんだ」
「ああ。話聞くよ」
力石も座る。
「帰り道でな、ふと見た店がケーキ屋だったんだ」
「うん」
「ひな祭りの、桃の節句でさ、人が結構いた」
「そうだな」
「ああ、だったら、たまにはケーキ買ってもいいかも、なんて……この俺が、そんな情け心を出したばっかりにいい!!」
「落ち着いて、本郷さん」
「……力石も食べるだろうと思って、店に入ったんだよ」
力石は、あまり甘い物なんて食べないけれど、本郷さんが自分のためにと思ったのなら、美味しくいただくつもりで頷いた。
「そしたら、そこの店員が、美人で巨乳だったんだけど」
「よかったな。触ったのか?」
「ば、ばか! それは犯罪だろ。その美人にだよ、『お子様にですか?』って言われたんだ!」
絶望的な声をあげて、悲しむ本郷さん。
「……ああ、なるほど……」
「納得するなよ!」
「でも、そう見えても仕方ないんだろうな。で、何をそんなに落ち込んでるんだ?」
「ケーキ、見ろよ……そしたら、おまえにもわかる」
箱を開けた。
「……あ」
本郷さんが、顔を覆う。
出てきたケーキと、そのうなだれた姿を見比べて、力石は思わず笑ってしまった。
「これ……」
力石の目に飛び込んできたのは、二人で十分食べきれる大きさのケーキと、春らしいイチゴの赤。
そして、チョコレートのプレートに書かれた
「かおるちゃん へ」
という文字だった。
「これ、俺?」
「……そう……」
小さな声になった本郷さんに、耳を近づけて、笑いをこらえながら聞いてみる。
「お子様ですかって聞かれたら、そうじゃないとは言えないじゃないか。で、頷いたら、お名前入れましょうかって」
「それで、頷いたんだ」
「……だって……眩しすぎる笑顔で、もう何も考えられなくて、ただ、頷いて……」
「俺の名前、言ってくれたんだ?」
「言ったよ……最初は、きちんと、力石って言ったのに……聞こえなかったみたいで……慌てて、おまえの、下の名前を……」
力石は、その状況を想像して、おかしくておかしくてたまらない。
その場にいたら、確実に人目を憚らず、本郷さんを抱きしめていたと思うほどに。
「本郷さん、人には言えるのに、俺には言えないんだ」
「……何を?」
「俺の名前。ちゃんと呼んでみろよ」
あえて力石も呼ばないけれど、本郷さんも、全く力石の名前には無頓着。
「……そこに書いてあるので十分だろ」
「いいや。満足出来ない。これ、聞かせてもらうまで、ケーキお預けな」
「えっ!」
思い切り、顔を上げた本郷さんと、力石の頭がぶつかりそうになる。
「危ない」
「ご、ごめん」
「言ってくれる?」
「……馨」
大きく手を広げて、力いっぱい、本郷さんを抱きしめた力石。
当然、ケーキを食べるのは、もっと後になってから。